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オペラ「清教徒」のあらすじ、ストーリー、登場人物、アリア等を解説。【ベッリーニ作曲】

こんにちは。
オペラあらすじ入門ガイドの管理人、リサです。

今日はベッリーニ作曲のオペラ「清教徒」の
あらすじ、ストーリー、登場人物、アリア等を
ざっくり&じっくり解説していこうと思います。

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目次

ベッリーニ作曲、オペラ「清教徒」の基礎知識

【原題】
I Puritani

【作曲者】
ヴィンチェンツォ・ベッリーニ

【台本】
カルロ・ペーポリ

【初演】
1835年1月23日 パリ、イタリア劇場

【上演時間】
2時間30分 (第一部75分、第2部45分、第3部30分)

【登場人物】
エルヴィーラ(S)  ヴァルトン卿の娘で、清教徒。
アルトゥーロ(T)  王党派の騎士で、エルヴィーラの恋人。
リッカルド(Br)  エルヴィーラの父、ヴァルトン卿が決めたエルヴィーラの婚約者。
ヴァルトン卿(Bs)  エルヴィーラの父で清教徒・議会党派。
ジョルジョ(Bs) エルヴィーラの叔父で、退役大佐。清教徒。
エンリケッタ王妃(S) 清教徒・議会党派に処刑された国王の未亡人。

【設定】
17世紀。清教徒革命中のイングランド。

ざっくり版 あらすじ、ストーリー

清教徒・議会党派のリッカルドは、エルヴィーラとの結婚の許可を父親のヴァルトン卿からもらう。
だが戦いから戻ると、エルヴィーラは恋人で王党派のアルトゥーロと結婚することに。

皆が集まり城で結婚を祝うが、その城には処刑された国王の王妃が閉じ込められていると知り、アルトゥーロは王妃をこっそり逃がすため、二人で城から脱出する。
エルヴィーラはアルトゥーロが他の女性と逃げたと勘違いし、錯乱する。

王妃を無事に逃がしたアルトゥーロが戻ってきて、全てを知ったエルヴィーラは正気を取り戻す。
だが、清教徒・議会党派の兵士によってアルトゥーロは捕らえられ、死刑を宣告される。
しかし死刑になる直前、王党派は全て滅び、罪人も無罪放免になったという知らせが入り、アルトゥーロも助かることに。
エルヴィーラとともにアルトゥーロは喜び、二人は結ばれる。

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じっくり版 あらすじ、ストーリー

※あらすじ内に出てくる数字をクリックすると、その場面で歌われるアリアのタイトルに飛びます。

【第一幕】

議会党派・清教徒と王党派が対立する17世紀のイングランド。
ヴァルトン卿の城では、娘のエルヴィーラの結婚式の準備が行われている。

そんな中、エルヴィーラとの結婚の許しをもらったはずの議会党派のリッカルドがエルヴィーラの結婚を嘆いている(※1)。

エルヴィーラは叔父のジョルジョに「結婚なんてしたくない」と訴える。

ジョルジョはエルヴィーラが恋人のアルトゥーロと結婚できるように自分がヴァルトン卿を説得したことを伝える(※2)。

その事を知り、エルヴィーラは花婿のアルトゥーロの到着を待ちわび、ジョルジョは彼女の幸せを祈る(※3)。

アルトゥーロが到着し、エルヴィーラと幸せに浸り、その二人を見守り祝福するヴァルトン卿とジョルジョ(※4)。

そこにエンリケッタ王妃が入ってきて、ヴァルトン卿は王党派の密偵である彼女を護送するため結婚式には出られないと告げる。

アルトゥーロはそれを知り、同じ王党派として王妃を助けようと考える(※5)。

そこに婚礼衣装を身にまとい、ヴェールを持ったエルヴィーラが現れ、幸せを歌う(※6)。
エルヴィーラは王妃にヴェールをかぶせたりしてはしゃぐが、父に呼ばれてヴェールを置いて立ち去る。

その隙に、アルトゥーロはヴェールを被ったままの王妃を逃がそうと二人で城から出ようとする。
がそこに、ヴェールを被っているのがエルヴィーラだと思い込んでいるリッカルドが現れ、アルトゥーロに決闘を申し込む(※7)。

ヴェールを被っているのが王妃だと知って驚くが、このまま二人を逃がせば自分がエルヴィーラと結婚できるとリッカルドは考え、そのまま二人を逃がす。

アルトゥーロ、王妃、リッカルドはそれぞれの思いを独白する(※8)。

エルヴィーラがアルトゥーロを探しにやってくると、遠くにアルトゥーロとヴェールを被った女が見え、エルヴィーラはショックのあまり正気を失いはじめる(※9)。
リッカルドは知らぬふりをして、皆とともに裏切り者への復讐をちかう。

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【第二幕】

人々はエルヴィーラを心配し、叔父のジョルジョにどういう様子かをたずね、ジョルジョは正気を失いつつある、とこたえる(※10)。
そこに議会が逃亡中のアルトゥーロに死刑を宣告したという知らせが入る。

さらにエルヴィーラがそこに現れ、意味の分からないことを口走るなど、正気でない様子を見せる(※11)。

ジョルジョはリッカルドに「エルヴィーラのためにはアルトゥーロを救うしかない」と伝え、リッカルドもそれを約束し、二人は清教徒派同士の結束を固める。

【第三幕】

エルヴィーラの住まいの近くの森。

アルトゥーロが追っ手から逃れてようやく戻ってきたところに、エルヴィーラの歌声が聞こえる(※12)が、エルヴィーラの姿はなく、彼女を想う。
追っ手が来て身をひそめつつも、エルヴィーラを想って歌うと、そこにエルヴィーラが現れる。

アルトゥーロはエルヴィーラに許しをこい、エルヴィーラはいったん正気を取り戻す。

王妃を救うために二人で逃げた事実を説明すると、エルヴィーラは納得し、二人はお互いの想いを伝え合う(※13)。

戦いの太鼓の音が聞こえると、エルヴィーラは再び正気を失い、アルトゥーロを失うまいと大声を出してしまい、人が大勢集まってくる。
リッカルドがアルトゥーロに「お前は死刑だ」と告げると、その言葉にエルヴィーラは正気を取り戻す。

人々が処刑を望んで叫ぶなか、アルトゥーロはそれを制し、エルヴィーラも「彼が死んだら自分も死ぬ」と告げる(※14)。

そこに伝令が到着し、清教徒によってイギリスが自由になったことで、王党派の罪人も無罪放免となったことが伝えられる。

処刑を免れ、自由になったアルトゥーロとエルヴィーラは喜び、人々もそれを祝福する(※15)。

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オペラ「清教徒」のアリア&聴きどころ

※数字部分をクリックするとあらすじ内のアリアが歌われる場面に飛びます。

※1
リッカルドのアリア
「ああ、永遠に君を失った  Ah, per sempre io ti perdei」

※2
エルヴィーラとジョルジョの二重唱
「ご存知でしょう、私の心には炎が燃え  Sai com’arde in petto mio」

※3
エルヴィーラとジョルジョの二重唱
「愛しい方のお名前が  A quell nome, al mio contento」

※4
エルヴィーラ、アルトゥーロ、ヴァルトン卿、ジョルジョの四重唱
「愛しい人よ  A te, o cara」

※5
アルトゥーロとエンリケッタ王妃の二重唱
「私はエンリーコの娘、カルロの妻  Figlia di Enrico, a Carlo sposa」

※6
エルヴィーラのアリア
「私は愛らしい乙女 Son vergin vezzosa」

※7
アルトゥーロ、リッカルド、エンリケッタ王妃の三重唱
「死をかけた決闘だ Qui ti sfido a mortai guerra」

※8
アルトゥーロ、リッカルド、エンリケッタ王妃の三重唱
「君の前から去るのが運命ならば  Se il destino a te m’invola」

※9
エルヴィーラのアリア
「アルトゥーロ婦人は白いヴェールで ~ ああ、聖堂に行きましょう、愛しいアルトゥーロ
La dama d’Arturo e’ in bianco velato ~ Oh vieni al tempio, Fedele Arturo」

※10
ジョルジョのロマンツァ
「解いた髪に花を飾り  Cinta di fiori e col bel crin disciolto」

※11
エルヴィーラのアリア(狂乱の場)
「ここであの方の優しい声が  Qui la voce sua soave」

※12
エルヴィーラのアリア
「泉のほとりで悲しげにひとり  A una fonte affitto e solo」

※13
エルヴィーラとアルトゥーロの二重唱
「いつも君を想って ~ この腕の中においで  Nel mirarti un solo istante ~ Vieni, fra le mie braccia」

※14
エルヴィーラ、アルトゥーロ、リッカルド、ジョルジョの四重唱
「彼女は震えて、死にそうなのだ  Ella e’ tremante, Ella e’ spirante」

※15
エルヴィーラとアルトゥーロの二重唱
「天使のような方よ、私は感じます  Sento, o mio bell’angelo」

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オペラ「清教徒」についての私的解説

第二幕の狂乱の場が非常に有名ですが、歌い手を選ぶために全幕上演されることが少ないオペラです。

簡素ながらも非常に美しいメロディのアリアや重唱などの聴き所が沢山あるため、ベルカントオペラ好きにはたまらないですね。

一見、あらすじが複雑に思えますが、対立している二つの党がある、という程度に考えておけばそれほど難しくなく、初めて観ても理解はできるはず。

シンプルなメロディが多く、非常に簡単に歌っているように見える歌手達ですが、実は水面下では非常に高度で正確なテクニックを駆使しています。

それが高度であればあるほど聴いている側には分かりづらい、という歌手泣かせのオペラの一つかもしれません。

このオペラを聴いて美しい音楽の世界に浸れるのであれば、それは演奏技術が高いということ。
そんな素晴らしいキャスティングで聴けるのであれば、是非ともテクニックを聴こうとしすぎずに、ベッリーニが生んだ名オペラの世界にどっぷりと浸かって欲しいところです。

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以上、
「オペラ「清教徒」のあらすじ、ストーリー、登場人物、アリア等を解説。【ベッリーニ作曲】」
でした。

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