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オペラ「シャモニーのリンダ」のあらすじ、ストーリー、登場人物、アリア等を解説。【ドニゼッティ作曲】

こんにちは。
オペラあらすじ入門ガイドの管理人、リサです。

今日はドニゼッティ作曲のオペラ「シャモニーのリンダ」の
あらすじ、ストーリー、登場人物、アリア等を
ざっくり&じっくり解説していこうと思います。

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目次

ドニゼッティ作曲、オペラ「シャモニーのリンダ」の基礎知識

【原題】
Linda di Chamounix

【作曲者】
Gaetano Donizetti
ガエターノ・ドニゼッティ

【台本】
ガエターノ・ロッシ

【初演】
1842年5月19日 ウィーン、ケルントナー・トーア劇場

【上演時間】
約2時間45分(うち序曲7分)

【登場人物】
リンダ(S) 貧しい家庭の娘。自分の考えをちゃんと持つしっかり者。
ピエロット(A , Ms) リンダの友達。孤児。
カルロ(T) リンダの恋人で画家。実は侯爵夫人の息子でシルヴァーノ伯爵であることを隠している。
アントニオ(B) リンダの父。貧しい小作人。
マッダレーナ(S) リンダの母でアントニオの妻。
ボアフレリー侯爵(Br) アントニオに土地を貸している領主。リンダに下心を持っている。

ざっくり版 あらすじ、ストーリー

貧しい小作人アントニオの娘、リンダは画家のカルロと恋に落ちる。
だが、リンダを狙う領主のボアフレリー侯爵は
小作権(領地を使わせてもらう権利)の延長をさせるかわりに
アントニオの娘リンダを自分のものにしようとする。
その事を知るリンダは家を出てパリに行く。

パリに行った後、リンダは恋人のカルロと再会。
カルロが実はシルヴァーノ公爵だとわかり、彼の援助を受けて暮らすことに。
しかし、シルヴァーノ公爵の母は身分違いの恋を禁じ、別の縁談をすすめ、彼も一旦はOKする。
そして、リンダの贅沢な暮らしを知った父親はリンダが誰かの愛人になったと勘違いし、リンダを勘当。
悲しむリンダはシルヴァーノ公爵が別の女性と結婚するという噂を耳にし、耐え切れず気を失う。
友人ピエロットとともにシャモニーに戻った後、リンダは発狂してしまう。

突然いなくなったリンダを探し、シャモニーに帰ったシルヴァーノ公爵が
リンダに愛を告白するとリンダは正気に戻る。
お互いの気持ちが本物だと分かり、シルヴァーノ公爵は母の縁談を断って
リンダと一緒になることを決意し、ハッピーエンドに。

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じっくり版 あらすじ、ストーリー

※あらすじ内に出てくる数字をクリックすると、その場面で歌われるアリアのタイトルに飛びます。

【第一幕】

フランス、シャモニー村に住むアントニオとマッダレーナ夫婦は
土地を引き続き借りられる(小作権)かどうかを心配しているが、
領主のボアフレリー侯爵が何とかしてくれるだろうと考える。

娘のリンダには画家のカルロという恋人がいるが、
実は彼は公爵夫人のシルヴァーノ伯爵だという事を知らないでいる。

カルロに会いに出かけるが、カルロに会えずに家に戻るリンダ(※1)。

カルロはいつもリンダが家に一人でいる時にやってきて二人の仲を周囲に隠そうとするが、
リンダはそれが気に入らない(※2)。
カルロ(シルヴァーノ伯爵)は、リンダとの身分違いの恋を母親に言い出せずに悩んでいたのだ。

父アントニオが心配していた小作権更新はボアフレリー侯爵のおかげで無事に済んだが、
ボアフレリー侯爵の狙いは娘のリンダだった。
リンダは父や村長にその事を警告され、友人のピエロットと共にパリへ行くことに。

【第二幕】

リンダは村長の兄弟に後見人になってもらうことに。
パリに着いてすぐ、ピエロットは病気になって寝込んでしまう。
回復し、ピエロットはリンダのもとを訪れるが後見人は亡くなっていて
リンダの行方も分からなくなっていた。

リンダはギリギリの生活をしており、偶然恋人のカルロと再会する。
カルロは自分がシルヴァーノ伯爵だと打ち明け、リンダに援助を申し出る。
シルヴァーノ伯爵が用意してくれた家に住み、贅沢な生活を始める。

ピエロットはリンダを探し当て二人は再会し、これまでの話をする(※3)。

シルヴァーノ伯爵の母は身分違いの恋を禁じ、自分が用意した縁談をすすめ、
シルヴァーノ伯爵は一旦それを受け入れる。

偶然、ボアフレリー侯爵に居場所を見つかってしまったリンダ。
自分の愛人になれと言われ、憂鬱な気持ちになってしまう。

ボアフレリー侯爵が去った後、自分達の恋の行方に悩むシルヴァーノ伯爵が帰ってくる(※4)。

ボアフレリー侯爵のことをどうすればいいか悩んだ父アントニオは
シルヴァーノ伯爵に助けてもらおうとパリにやってくる。
そこで目にしたのは贅沢な暮らしをしている自分の娘のリンダ。
リンダがシルヴァーノ伯爵の愛人になったと勘違いしたアントニオは激怒して
リンダを勘当してしまう。

打ちひしがれるリンダのもとへ、ピエロットがやってきて
シルヴァーノ伯爵が別の人と結婚するらしいという噂話を伝えると、
耐え切れなくなったリンダは気を失ってしまう。

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【第三幕】
ピエロットはこっそりとリンダをシャモニー村へ連れて帰る。
リンダがいなくなり、シルヴァーノ伯爵はリンダを探し回る。
錯乱状態のリンダはピエロットと共に村の広場を訪れ、リンダの姿を見た村人たちは
リンダに深く同情する。

リンダを探しまわってようやくシャモニーで見つけたシルヴァーノ伯爵。
彼がリンダに必死で自分の愛情を伝えると、リンダは正気を取り戻す。

シルヴァーノ伯爵は母の縁談を断ることを決め、
お互いの愛を確かめ合った二人は一緒になることに。
そんな二人をシャモニーの村人達が温かく祝福するのだった。

オペラ「シャモニーのリンダ」のアリア&聴きどころ

※数字部分をクリックするとあらすじ内のアリアが歌われる場面に飛びます。

※1
リンダのアリア
「ああ、遅すぎたわ ~ この心の光  Ah, Tardai troppo ~ O Luce di quest’anima」

※2
リンダとカルロの二重唱
「リンダ、リンダ! ~ 君に会ったあの日から  Linda! Linda! ~ Da quell di che t’incontrai」

※3
リンダとピエロットの二重唱
「Gia’ scorsero tre mesi ~ Al bel destin che attendevi」

※4
カルロのアリア
「リンダ!行ってしまった ~ もし人々にそれほど憎まれるのなら
Linda! Si ritiro’ ~ Se tanto in ira agl’uomini」

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オペラ「シャモニーのリンダ」についての私的解説

現代ではオペラ全体が上演されることが非常に少ない作品。

何でも、ドニゼッティが作曲し初演した当時は非常に人気があったそうですが
その後だんだんとすたれてしまい、上演されなくなってしまったそう。

ですが、コロラトゥーラの女王、エディタ・グルベローヴァが
ドニゼッティの生誕200年周年記念の1997年に見事に歌い上げ、
また日の目を見るようになったんだとか。

「シャモニーのリンダ」はドニゼッティの甘美なメロディが
随所に散りばめられているオペラですが、
あらすじ、ストーリーに起伏が少ないため
全曲を通して聴きたい、と思う人があまりいないんですよね。

このオペラを知っている人はおそらく
このオペラ唯一の、有名な一幕のリンダのアリア「この心の光」から
「シャモニーのリンダ」を知ったはず。

それだけ、全曲上演の数が少なく、
アリア「この心の光」だけがよく歌われているということですね。

音楽的には王道のベルカント、という感じなので
歌い手もしっかりベルカントを歌える人でないと全曲上演は難しいです。

オペラ自体に派手さはないですが、
オペラを上演するのであればきちんと歌える歌手を揃えないといけないので
もし「シャモニーのリンダ」が上演されるのであれば
聴いてみるといい経験になると思います。

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以上、
「オペラ「シャモニーのリンダ」のあらすじ、ストーリー、登場人物、アリア等を解説。【ドニゼッティ作曲】」
でした。

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