こんにちは。
オペラあらすじ入門ガイドの管理人、リサです。
今日はドニゼッティ作曲のオペラ「ドンパスクワーレ」の
あらすじ、ストーリー、登場人物、アリア等を
ざっくり&じっくり解説していこうと思います。
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ドニゼッティ作曲、オペラ「ドンパスクワーレ」の基礎知識
【原題】
Don Pasquale
【作曲者】
ガエターノ・ドニゼッティ
【台本】
ジョヴァンニ・ルッフィーニ
【初演】
1843年 パリ、イタリア劇場
【上演時間】
約120分
【登場人物】
ドン・パスクワーレ(B) 裕福な独身の老人。
マラテスタ(Br) 医師。エルネストの友人。
エルネスト(T) ドンパスクワーレの甥っ子。
ノリーナ(S) うら若き未亡人。
公証人(B) 偽の公証人。マラテスタのいとこ。
【設定】
19世紀はじめのローマ。
ざっくり版 あらすじ、ストーリー
言う事をきかない甥っ子のエルネストに
財産を渡さないようにするため、
自分が結婚して子供をつくろうと計画するドンパスクワーレ。
主治医であるマラテスタに頼み、妹を紹介してもらうことに。
それを知ったエルネストは遺産が入らないことにショックを受け、
恋人のノリーナに別れを告げる。
だが、マラテスタが紹介したのは、実はマラテスタの妹「ソフローニア」のふりをした
エルネストの元恋人、ノリーナだった。
ドンパスクワーレとの結婚式を終えるやいなや、
ソフローニア(ノリーナ)は猫かぶりをやめ、派手で高慢な女に。
金遣いが荒く、遊びほうけるソフローニアをとめられないドンパスクワーレ。
マラテスタはドンパスクワーレに妻の浮気現場をおさえようと持ちかける。
エルネストとノリーナが庭で愛を語り合っていると
ドンパスクワーレが現れ、ノリーナはとぼける。
マラテスタがソフローニアを追い出すふりをして
「エルネストを元恋人と結婚させよう」と言い出す。
ノリーナは「他の女と暮らすのは嫌」と出て行こうとする。
妻(ソフローニア)に出て行って欲しいドンパスクワーレは喜び、
確実に出て行かせるために
「すぐにエルネストの恋人を連れてこい」と命ずる。
そこではじめて皆は「彼女はここにいます。ノリーナです。」と
真実を打ちあける。
パスクワーレは自分が騙されていた事に気づくが、
全てを許してハッピーエンドとなる。
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じっくり版 あらすじ、ストーリー
※あらすじ内に出てくる数字をクリックすると、その場面で歌われるアリアのタイトルに飛びます。
【第一幕】
独身の老人ドンパスクワーレは自分の言う事をきかない
甥っ子のエルネストを懲らしめるため、
自分が結婚して子供を作り
エルネストに遺産を渡さないようにしようと考える。
そこへ、主治医のマラテスタが来て、
それならば自分の妹はどうかとすすめる。(※1)
舞い上がったドンパスクワーレはマラテスタに
会わせてくれるよう頼む。
エルネストが現れ、ドンパスクワーレが縁談をすすめるが
未亡人のノリーナと愛し合っているからとかたくなに断る。
「ならば家を出て行け、私は結婚するから
お前に遺産は相続させない」と宣言し、
エルネストはショックを受ける。(※2)(※3)
甥っ子のエルネストが打ちひしがれた姿を見て喜ぶドンパスクワーレ。
さらにエルネストはマラテスタが花嫁を紹介したと聞き、
自分の友人が手を貸していたことを知って落ち込む。
そんな中、ノリーナは自分の家で本を読んでいる。
恋愛小説を読みつつ、「自分の方が恋愛は上手」
などと一人で笑ったり思いを語っている。(※4)
だが、エルネストからの別れの手紙を読み、落ち込むノリーナ。
そこへマラテスタがやってきて
今回の事は全てある計画のためだと説明。
ノリーナにさらなる提案をもちかける。
ノリーナもそれを請け負い、淑女のふりをする練習をする。(※5)
【第二幕】
エルネストは突然ふりかかった出来事に嘆き悲しんでいる。(※6)
そしてドンパスクワーレのところに
ソフローニアという女性のふりをしたノリーナが連れてこられ、
その清楚さにドンパスクワーレは一目ぼれ。
すぐに結婚したいと言い出す。
偽の公証人を連れてきて結婚式をあげようとしているところに
ドンパスクワーレに別れを告げに来たエルネストが登場。
結婚相手がノリーナだと知ったエルネストは怒り狂うが、
マラテスタによって上手くなだめられ、結婚式の証人をすることに。
偽の結婚式が終了し、相続権が花嫁に移ったことを確認すると、
猫をかぶっていたノリーナはすぐに派手で高慢な女に豹変。
ドンパスクワーレは驚き、嘆き悲しむ。
その間にマラテスタはエルネストに今回の計画を説明する。
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【第三幕】
ソフローニア(ノリーナ)は結婚してからというもの、
金遣いが荒く、毎晩遊び歩いている。
部屋に散らばる沢山の洋服や請求書の山を見て、
ドンパスクワーレは途方にくれる。
そんな中、またもや遊びに出かけようとするソフローニア。
ドンパスクワーレはとめようとするが、
逆に平手打ちをくらってしまう。
ソフローニアが落としていった手紙を読み、
妻が浮気をしていると疑うドンパスクワーレ。
すでに結婚を後悔し、
「エルネストと恋人のノリーナを結婚させておけば良かった」
と思い始める。
そんな彼にマラテスタは「浮気現場をおさえて妹を追い出そう」と提案。(※7)
マラテスタに言われて庭で待っていたエルネスト。(※8)
そこへノリーナがやってきて二人は愛を語りあう。
その現場へドンパスクワーレがやってくるが、
ソフローニア(ノリーナ)は必死で隠そうとする。
マラテスタは妹のふりをするノリーナを説得するかのように
「明日、エルネストの花嫁としてノリーナがやってくる」と告げ、
ソフローニア(ノリーナ)は
「他の女と暮らすなんてごめんだわ!」
と出て行こうとする。
結婚を後悔していたドンパスクワーレは喜び、
確実にソフローニア(ノリーナ)を出て行かせるために
すぐにエルネストとノリーナを結婚させようと思いつく。
「ノリーナをすぐに連れてこい」と命ずるドンパスクワーレに
「ノリーナはもうここにいます」と皆でソフローニアの正体を明かす。
自分が騙されていたことを知ったドンパスクワーレだが、
全てを許し、エルネストとノリーナの結婚を祝福して
ハッピーエンドとなる。
オペラ「ドンパスクワーレ」のアリア&聴きどころ
※数字部分をクリックするとあらすじ内のアリアが歌われる場面に飛びます。
※1
マラテスタのアリア
「天使のように美しい娘 Bella siccome un angelo」
※2
ドンパスクワーレとエルネストの二重唱
「あなたが嫁を貰うんですか? Prendere moglie」
※3
エルネストのアリア
「青春の清らかな夢よ Meco all’altar di Venere」
※4
ノリーナのカヴァティーナ
「その眼差しにかの騎士は Quel guardo il cavaliere」
※5
マラテスタとノリーナの二重唱
「用意は出来たわ Pronta io son」
※6
エルネストのアリア
「遥かなる遠い土地で Cherchero’ lontana terra」
※7
マラテスタとドンパスクワーレの二重唱
「そっと、そっと Cheti,Cheti immantinente」
※8
エルネストのセレナーデ
「四月の宵はなんと心地よい Com’e’ gentile」
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オペラ「ドンパスクワーレ」についての私的解説
ドンパスクワーレは名オペラ・ブッファ(コメディ)として
誰もが楽しめる名作。
ですが、ただ楽しく面白いだけではなく、
ベルカント・オペラの第一人者である
ドニゼッティが作曲しているだけあって
美しい旋律の聴きどころが満載です。
それぞれの登場人物のキャラクターを
存分に表現したアリアや二重唱は
オペラの中だけではなく、
単独でコンサートでも歌われるほど耳なじみが良く、
誰からも愛される名曲ばかり。
誰もが楽しめる単純でコミカルなストーリーと、
ベルカント・オペラの美しさと要素がたくさん詰まった
ドニゼッティの音楽のいいとこどりで、
オペラ初心者もオペラマニアも楽しめる作品です。
ドン・パスクワーレはオペラの黄金時代と呼ばれる
名歌手が揃っていた時代から多くの歌手に愛されているため、
オペラ自体はもちろん、アリア単独や二重唱などでも
沢山の名録音が残っています。
敷居が高いと思われがちな
ベルカント・オペラの入門としてもおすすめです。
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以上、
「オペラ「ドンパスクワーレ」のあらすじ、ストーリー、登場人物、アリア等を解説。
【ドニゼッティ作曲】」
でした。
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